イベントレポート

FUTURE CARE CLUB第二回勉強会│国府田文則氏・谷出正直氏講演

2018.07.9

2018620日(水)、東京都千代田区の都市センターホテルにて、介護業界の健全な発展を目的に発足した経営者団体「FUTURE CARE CLUBFCC)」主催の第二回勉強会を実施しました。

この勉強会は介護法人の経営者が抱える経営課題や業界課題の改善を目的に毎月開催しているもので、著名な経営者や実績豊富な一流講師がゲストとして登壇します。

第二回目となる今回は、第一部に三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 政策研究事業本部 共生社会部 主任研究員である国府田文則氏に、第二部は採用コンサルタント/採用アナリストである谷出正直氏による講演が行なわれました。

「地域包括ケアシステム」や、「介護人材の確保育成政策・人材採用」などについて取り上げた今回の勉強会では、経営者の方だけでなく、各企業の人材採用・育成を担う従業員の方も多く参加されました。

第一部:三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 国府田文則氏講演

第一部では、国府田氏にご登壇いただき講演が行なわれました。

登壇者:国府田文則氏 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 政策研究事業本部 共生社会部 主任研究員


プロフィール: 1954年8月10日生まれ

慶応義塾大学大学院社会学研究科修士課程修了後、財団法人日本総合研究所等を経て、1994年に三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社に入社。現在は政策研究事業本部 共生社会部にて主任研究員を務める傍ら、国士舘大学政経学部非常勤講師も務めている。

第二部:採用コンサルタント/採用アナリスト 谷出正直氏講演

国府田氏による講演の後は、採用コンサルタント/採用アナリストである谷出正直氏にご登壇いただき、「人材不足の今、採用に成功している企業の取り組み」について、実際の採用事例などを参考に人材採用について解説していただきました。

登壇者:谷出正直氏 採用コンサルタント/採用アナリスト


プロフィール: 1979年 奈良県生まれ

筑波大学大学院体育研究科を修了後、新卒でエン・ジャパン株式会社に入社。子会社への出向を含め、新卒採用支援事業に約11年携わる。2015年末に退職・独立し、現在は企業の新卒採用のコンサルティングや、採用アナリストとしてセミナー講師やコラム連載、ビジネス誌「プレジデント」をはじめとした新聞やニュース番組等メディアのインタビュー対応、大学や企業に向けた現場情報の発信などを行なっている。

採用に対する固定概念を捨てることが大切

谷出氏はまず、介護業界の従業員が不足している理由に「採用が難しいから」という意見が一番多いと紹介。

この課題を解決するには、現在の採用活動における固定概念を捨てる必要があるといいます。実際に谷出氏が協力した、〝タクシードライバーの新卒採用〟の事例をもとに解説しました。

求人活動を行なったタクシー会社の経営者は「タクシー業界を変えるために若い力が必要である」という想いから、新卒採用を開始。新卒採用を開始した2010年の採用は1名しかいませんでしたが、谷出さんが介入することによって徐々に採用人数を増やし、2018年の新卒社員は146名になりました。そのうち2割は女性社員だといいます。

驚きの採用結果に、多くの参加者が感嘆の声を漏らしました。

一般的なイメージである〝タクシー運転手=中高年・シニア世代の仕事〟という固定概念を見事払拭。年々タクシー運転手の新卒採用者が増えることによって、新卒社員の家族や学校など世間からのイメージも払拭し、タクシー業界全体のイメージの変革に成功しました。

そのうえで谷出氏は、「ご紹介した事例のとおり、『この業界だから採用が難しい』といった固定概念は不要です。人材の採用だけでなく、数年間のうちに業界全体を変えられる可能性もあるんです」と力説しました。

企業によって採用活動の方法は異なる

続いて、谷出氏の提案による実際の採用成功事例を紹介。

  • えこひいき採用

〝就職活動の1社目として選考を受けにきてくれたら、最終面接まで落とさない〟と約束し、求職者をえこひいきする。

  • 即入社採用

HP上の応募フォームをなくし、入力項目が「入社日」「電話番号」のみの即入社ボタンを作成。2つの項目を入力してボタンを押せば即入社が決まる。

ユニークな採用事例に、参加者から笑い声があがるシーンも。

2つの事例を紹介したうえで、採用活動では企業の目指す場所によって採用方法が異なってくる、と解説しました。

「企業によって採用するべき人材は異なるため、採用方法も変わってきます。例えば〝即入社採用〟は『どんな人でも可能性を信じて受け入れるから人員を確保したい』という想いから行なった方法です。経験や人柄などを重視して人材を求めるなら、この方法は適していません。そのため、まずは企業の目指す未来像を定めてから、『こんな人を採用する』と採用対象を明確に決めて取り掛かる必要があります」

採用成功に向けた5つのポイント

企業ごとに採用活動のアプローチ方法が異なるとしたうえで、採用成功に向けたポイントを5つにまとめて以下のように説明しました。

【1】採用の目的を明確にする。

採用活動とは何を作る活動なのか(会社・組織・売上・社風・社員の未来・日本・世界……etc)を明確にすることが必要です。

一概に待遇を改善すればいいというわけではなく、採用の目的によってアプローチする方法は異なります。

【2】自社の特徴や強み、未来像を明確にする。

自社の特徴や強みを積極的に情報公開していくことにより、求職者とのアンマッチを防ぐことができます。

そして、会社の理念や今後のビジョンを視野にいれて、現状の組織体制と理想とのギャップを埋められるように採用活動を行なうと会社の未来像に繋がります。

【3】採用対象を明確にする。

「成果」「定着」「成長」「影響」の4つの観点から採用対象を明確にし、「MUST」と「WANT」に分けて人物像を考えます。

〝誰〟に〝何〟を〝どのように〟伝えるかを整理してから求人広告を作成することによって、求職者が持つ仕事へのイメージとのギャップをなくし離職率も低くなります。

【4】「選考」の意味を把握する。

企業が求職者を選ぶだけでなく、求職者からも企業が選ばれている現在。

〝求職者を見極める〟だけでなく、説明会や選考の場において〝求職者に会社を理解〟してもらい、〝『この会社に入りたい!』と思わせるアプローチ〟をすることも必要です。

こうすることによって、内定者の辞退を防ぐことができます。

【5】採用担当者が自信を持つ。

選考は企業側にとっても求職者にアプローチする場でもあるので、採用担当者には向き・不向きがあります。

理想は、「未来の会社」「職業」「自社の商品」「自分」、この4つの項目全てに自信を持っている人が採用担当者として適任です。この条件に一番当てはまるのは、やはり経営者。そのため、経営者が主体となって採用活動を積極的に行なっていくことや、会社の特徴や理念・未来像を従業員に浸透させることが必要です。

5つのポイントを総括したうえで、「会社によって〝あり方〟が異なるため、採用活動の〝やり方〟も様々。会社の未来像に沿ったアプローチを行なうことによって採用成功の成果が得られます。今回の講演で『こういうこと使えるな』『こういうアイデアも有りだな』と感じたことを、今後の採用活動の参考にしていただければと思います」と、谷出氏。

実際の参考事例や自身のエピソードを盛り込んだ講演内容で、会場は終始和やかな雰囲気のまま、第二部の講演が終了しました。

FCC第三回勉強会は7月31日(火)18:30より、今回と同じく都市センターホテルでの開催が予定されています。ぜひ、ご参加ください。

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