イベントレポート

FUTURE CARE CLUB第10回定例会│講演会

2019.04.25

2019年4月23日(火)、JR新宿ミライナタワーにて、介護業界の健全な発展を目的に発足した経営者団体「FUTURE CARE CLUB(FCC)」主催の第10回定例会が行われました。

(テーマ)
講演①介護サービス業における生産性向上に資するガイドライン
講演②リーダー論:売上、マネジメントが崩壊している事業所の立て直しについて

講演①介護サービス業における生産性向上に資するガイドライン

登壇者:株式会社ケアリッツ・アンド・パートナーズ 取締役 太原 有理 氏


プロフィール
東京大学 薬学部卒
マッキンゼー・アンド・カンパニーにてコンサルタントとして勤務
2012年ケアリッツ・アンド・パートナーズに合流

 
「介護サービス業における生産性向上に資するガイドライン」とは、

【業務の改善活動を通じて、介護サービスの質を維持・向上させつつ、日々忙しい介護現場の職場環境をより働きやすく変えていくための道標】

として厚生労働省が発行したガイドラインです。
施設サービス、居宅サービス、医療系サービスの三部構成となっており、それぞれの分野で業務改善の必要性や実施・改善例などが約60ページに続き解説してあります。

太原氏は、厚生労働省がガイドライン策定に至った経緯を説明し、どのような意図があるかを次のように公演しました。

【策定に至った経緯と意図】
厚生労働省の『実際に生産性向上に取り組む地域の中小企業、サービス業に対する支援を図る』という指針の元に、介護事業者が生産性向上に取り組みやすくするためガイドラインを作成しその普及を行うことを目標として策定される。
本ガイドラインは、

①生産性の向上
②改善活動へのステップ
③事例

の3つをまとめたものとなっており、生産性を追求する余地のある企業にとって指針となることが盛り込まれいている。
しかし、60ページ以上の内容を読み込むことは労力がいるため、今回は太原氏が要点をまとめ重要な箇所を全体で共有しました。

一般的な生産性向上とは?
・Output/Input(成果をリソースで割ったもの)が生産性であり、この数値を上げること。
・従業員及び労働時間数当たりの付加価値額を上げること。

業務を見直すことで質の高いサービスの提供が可能。
業務の効率化で生まれる時間を有効活用することができる。
質を切り捨てた効率化ではなく、「余計な仕事を効率化でなくしサービスの質を高める事」という隠れたメッセージがある。

重要な3要素
①3M(ムリ・ムダ・ムラ)を減らす
②5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)の徹底
③BDCA(「Plan(計画)」、「Do(実行)」、「Check(評価)」、「Action(改善)」)サイクルを回すこと

営業職などご経験のある方には、よく目にするキーワードだと思いますが、実際の介護現場で上記3要素を丁寧に実行出来ているところは少ないのが現状です。
ガイドラインはそのような改善活動が苦手な介護事業者の為に作られています。
その中身を噛み砕き再整理すると以下の6ステップが表現されていました。

改善活動をすすめる6ステップ
①改善活動の準備
②現場の課題の見える化
③実行計画をたてる
④改善活動に取り組む
⑤改善活動を振り返る
⑥実行計画を練り直す

特に重要な点として、太原氏は以下の点について触れました。
まず始めに、マネジメント層から職員全体へ改善活動をする宣言を浸透させること。
これにより、改善活動があらぬ方向に向いてしまうことを防ぐことができる。
また、改善活動は途中で頓挫してしまう事が多いため、いきなり重いテーマではなく小さなテーマから行い成功体験を共有することが重要になります。
最後に継続して改善活動を行う事が最も重要であると話されました。

まとめ

業務や書類の整理、情報の共有化、教育方法の見直しなどの基本的事項をしっかりと行うことが生産性向上に繋がる。
生産性の向上改善に取り組むことで、収益の改善に繋がる。
当たり前に出来ている企業もあるが、出来ていない企業はガイドラインを参考にして改善活動を実施すると良い。
厚生労働省の資料では基本的な箇所を押さえている為、初めて取り組む企業は参考にして取り組むと良い。

 
 
 

講演②リーダー論:売上、マネジメントが崩壊している事業所の立て直しについて

登壇者:株式会社ケアリッツ・アンド・パートナーズ 代表取締役 宮本剛宏 氏

2008年に同社創業、訪問介護事業所を都内に数多く展開する宮本氏による現場再生について講演頂きました。

宮本氏はこれまで多くの現場を再生し、収支改善を実行してきました。
現場再生は「利益を生む唯一の場所」の為、最優先で改善する必要があると説明されました。

現場再生の重要なポイントは4つ。
①最適なリーダーシップ…「やってみせることが」がリーダーシップの原点
②必達のゴール…チームの目標を設定し、「逆算」してやること(レベル・期間)を決定する。
③生の情報…現場の情報から真実を見極める。
④実行スピード…迅速かつ的確に判断し、即実行する。

まとめ

事業所の改善は売上に直結する為、早急な改善と事前のフォロー体制が重要。
体制が崩れないような人員確保や教育体制を確立し、問題が起きたときにいち早くマネジメント層まで報告が来るスキーム作りを徹底するべき。
一定以上の会社規模になったときに、現場を管理するマネージャークラスに、現場再生できるノウハウを教育することが重要である。

 


ご参加頂きました各法人様 誠にありがとうございました。

次回は、5/21(火)を予定しております。
皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。

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